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森林緑地研究の最前線

鳥はどこに種子を散布するのか? -鳥類による種子散布のプロセス解明-

平田 令子森林保護学

Q. どうしてこの研究が必要なのですか?

森林に生息する鳥類は樹木の種子を散布する種子散布者としての働きを持っています。しかし、鳥類がどこにどのような種子を散布するのか、という問いに答えることはなかなかできません。鳥類が果実を食べてから種子を排泄するまでの一つ一つの過程を解明すれば、その疑問に答えることができます。そうすれば、鳥類による種子散布を活かした森林生態系の維持や生物多様性の保全につなげることができます。

Q. 具体的にどのような研究を行うのですか?

種子散布の過程は、鳥類が「樹木の果実を食べ」、「どこかに飛んでいき」、「種子を排泄する」ことから成り立ちます。この3つを解明するために、まず、鳥類を捕獲して糞の中身を解析し、どのような果実を食べているのかを調べています。次に、鳥類の飛翔パターンを長時間観察し、飛翔速度や飛翔方向が変わるきっかけとなるものを探しています。最後に、捕獲した鳥類に果実を食べさせ、果実を食べてから種子を排泄するまでの時間を調べる実験をしています。

Q. 最近の研究成果や課題を教えてください。

この研究により、鳥類の果実採食の頻度には年変動があること、鳥類の移動パターンは森林の景観配置と大きく関わっていること、種子が排泄されるまでの時間は鳥類の種類によって異なることなどが明らかとなってきました。今後は集めたデータを基に、種子の空間分布を予測する数理解析を試みます。


捕獲した鳥類(左:カケス、右:オオルリ)

2016年3月9日