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森林緑地研究の最前線

「木に化ける」仕組みを明らかにする! -リグニン生合成メカニズムの解明-

津山濯樹木生化学

Q. どうしてこの研究が必要なのですか?

植物が細胞壁成分の「リグニン」を合成することを「木化(もっか)」と呼びます。樹木はリグニンのおかげで虫などに分解されにくく長生きできるのですが、細胞壁の糖成分を工業的に利用する際にはリグニンが障壁となります。リグニンは石油に代わる芳香族原料としても活用が模索されており、リグニンの生合成メカニズムを解明し、リグニンの量や質を調節することで、木質バイオマスのさらなる有効活用が可能になると期待されます。

Q. 具体的にどのような研究を行うのですか?

樹木やタケ、モデル植物のシロイヌナズナなど、植物がどのように木化するか、化学分析や細胞観察などで明らかにしています。木化には、リグニン前駆物質の細胞内での生合成、細胞内から細胞外への輸送、細胞壁での重合の3段階がありますが、このうち輸送に関してはほとんど分かっていません。そこで木化を活発に行う樹木細胞などを試料として、リグニン前駆物質の輸送に関わる遺伝子・タンパク質を探しています。

Q. 最近の成果や課題を教えてください。

ポプラやヒノキなど様々な樹種でリグニン前駆物質の一つ、コニフェリンが輸送されることを明らかにしました。他にどのような物質が輸送されるか、輸送タンパク質がいつどこに局在するかなど、リグニン前駆物質の輸送メカニズムの全容解明が課題です。また、わずか数ヶ月で巨大に成長するタケの木化様式も明らかにしています。どの時期にどの程度のリグニン量かが分かれば、時期を選んだタケの有効活用につながると考えています。


リグニンを赤紫色に染色したポプラ木部細胞

発筍したトウチク

2017年1月13日